国が氷河期世代向けの長期職業訓練を開始か?

国は45歳未満の就職氷河期世代向けに、介護やIT関連の長期職業訓練を開始するようです。2年程度の訓練期間中、雇用保険から基本手当をもらいながら長期的に職業訓練できるとのことで、失われた世代からの注目が集まっています。

けれども、ネット上の反応はあまりよくありません。氷河期世代は団塊世代の雇用を守るため犠牲にされた世代と考えている人も多く、その団塊の世代の介護のために職業訓練などはしたくないということのようです。加えて、IT関連の技術の訓練といっても、40代に入れば時すでに遅しの感があります。

ぼくも2000年卒の就職氷河期世代にあたりますので、この世代のキモチはよくわかりますが、このレベルの対策ではカチンコチンに凍り付いてしまった氷河期世代のハートを溶かすことは到底不可能といえるでしょう。

僕自身、20代は非正規雇用でワープアしていたものの、現在は法人経営をしておりますので、昔の仲間を何とか正社員で雇用したいという思いはあるものの、この氷河期世代についてはなかなか食指が動かないのが実際のところです。

たとえ国からの補助金があったとしても、失われた20年の間に気持ちがすさんでしまった人が多いと感じており、それならまだ、気持ちにピュアな部分が残っているゆとり世代やさとり世代と一緒に働きたいと考えてしまいます。

このような制度では、氷河期世代はノーサンキューでしょうし、雇用する会社側でもあまり食指が動かないのではないでしょうか。

ただ、スキルや経験はないものの、この氷河期世代のポテンシャルには非常に高いものがあると感じており、優秀な人材が数多く埋もれてしまっているのではないかと感じています。特に、厳しい受験競争を勝ち抜いて大学には入ったものの、運悪く就職氷河期に直面して就職に失敗してしまい、そのまま非正規やニートなどで社会の片隅に埋もれている人も多いのではないでしょうか。

ぼくはFラン大卒なので決して優秀ではありませんが、それでも非正規雇用のワープアから上位2%の高額所得者となりましたので、もしぼくのような人がもう一人いれば、年収1500万ぐらい払っても雇用したいという気持ちはあります。

実際、それ以上の売り上げをこれまで一人で上げてきたわけですから、計算上、自分の会社で雇用してもメリットはあるわけです。それが年収500万、600万でも働いてくれるならかなりな儲けものですし、もし現状で非正規雇用やニートに甘んじているのでしたら、その程度の金額でも喜んで働いてくれる人が多いかもしれません。

さらに、国からの補助金をもらえるとなれば、企業側でも血眼になって氷河期世代限定の求人を出すことでしょう。

このような、氷河期世代の人材を発掘するわくわく感のようなものが国の政策には不足していると感じております。氷河期世代を採用して大幅に業績が伸びた企業の事例をアピールしていけば、おそらくは氷河期世代限定の求人数も増えていくのではないでしょうか。

そのような対策に、もっと予算を割くべきではないかと考えております。