現役世代2人で1人養う論理は正しいのだろうか?

よく言われているように、昔は現役世代10人で一人を支えていたものの、今後は2人で一人を支える時代になるといわれています。

けれども、これは机上の空論であるというのが私の印象です。

現時点では、団塊の世代は75歳前後のため、まだ自立している人が多い状況です。

けれども、これが80代の要介護ともなれば、徘徊がはじまるため、常時見守りが必要となり、現役世代の人員一人が犠牲になります。場合によっては、二人必要になるかもしれません。

そうなれば、見守りをする側の人員も働けなくなるため、要介護の高齢者に加え、社会は二人分を支える必要が出てくることを意味します。

昔は10人に一人の状態でしたので、これが10人で二人を支える状態になったとしても大した影響はありませんでした。

けれども、今後、二人で一人を支えるようになれば、それは二人で二人を支えることを意味し、約分すると一人で一人を支える状況になってしまいます。

現在、介護する側は介護される側ではないという論理かと思いますが、実際には生産活動からは除外されてしまいます。結果として、介護する側も介護される側にカウントすべきではないかと感じています。

この論理でいえば、団塊の世代が85歳あたりに突入する10年後あたりから、日本社会は厳しい現実に直面することになるかもしれません。

世界的に見ても前例のない高齢化社会に突入するため、あまり実感はないのかもしれませんが、高齢者を支える側に回れば、それは支えられる側になるという認識が欠落しているように感じます。