若年層の就業環境が年々厳しさを増しており、経済的な格差も増大しておりますが、この原因のひとつとして、一度でも脱落すると元には戻れない社会構造になっている点が上げられます。
例えば、大学生の就職についてですが、もし卒業後、正社員としてスタートできなければ、その後に優良な企業で働けるチャンスは現実的に二度とありません。一度でもフリーターや非正規社員として働きはじめると、その後も同じ路線の上でしか働かざるを得ず、挽回するチャンスがないのが実態なわけです。
そのため、新卒で正社員として働けるかどうかという点で、その後の人生が大きく決まってしまいます。実際の正社員としての就職率は平成24年で6割程度というのが実態ですので、かなり多くの人が低所得の労働環境に身をおかざるを得ないのが実態となっています。
また、その後に起業をするとしましても、基本的なビジネスマナーや社会常識などは身についていないため、独立して仕事をはじめるのも大変です。
ですので、もし正社員として就職できなければ、その後の結婚はおろか、年金や社会保険すら払えなくなってしまう若者が多く輩出され続けており、結果として少子化問題が生じ、年金などの社会保障関連の財源が逼迫化しているというのが日本の雇用環境の実態といえるでしょう。
いわゆるワーキングプアなどの社会問題に象徴されるように、貧富の差が拡大しており、いままでの1億総中流階級から経済的な二極化が進んでいます。
本来でしたら、年寄りや団塊の世代がお金を使い、経済を活発化させて若者の雇用を生み出すのが一番ですが、この世代は貯めこむばかりで一向に消費には向かわない傾向があるわけです。
また、国民年金につきましても、若い世代が将来もらえる金額は月6万円という試算が出ているのに対し、現在のお年寄りは数十万円程度はごく当たり前の状態ですので、若年層への負担が非常に大きい社会構造になっているといっても過言ではないでしょう。
せめてインフレにすることで、引退した世代から現役世代への豊かさの移行があればいいのですが、「草食男子」や「ゆとり教育」に象徴されるように、昨今の若年層に世代間闘争を期待する覇気はどこにもありません。
このような状況のなか、現代を生きる若者はどのように対処すればよいのでしょうか?
まずは、「正社員」という幻想を捨て去ることをおすすめします。
現代の若者にとって、「正社員として働く」のがひとつのステータスになっているようですが、いったん捨て去ってしまえば、別にたいしたもんじゃありません。
正社員でも「リストラ」のリスクが常に付きまといますし、決して安泰というわけではないものです。
また、毎日セコセコ、コセコセと働いても、自分の生活をエンジョイできる時間がなければ、この世に生を受けた意味などないに等しいのです。
私の場合でいいますと、先月は月収238万円を達成しておりますが、ある程度はこのペースを維持してきましたので、あと5年程度でサラリーマンの生涯年収をゲットできる計算になります。
また、月8時間ぐらいしか働いておりませんので、働きたければ働けばいいし、眠かったら寝てればいいという感覚です。休みたければ1週間でも1か月でも休暇にすればいいし、買いたいものがあれば買い、食べたいものがあれば、それを食べればいいのです。
行きたいところがあれば、地球の裏側でも気ままにそこに旅行にいけばいいのです。
このようなハッピー・ライフスタイルからすると、いわゆる「サラリーマン」とか「正社員として働く」という価値は、実はふけば飛ぶようなものであることが分かります。
もちろん、私はサラリーマン・システムを批判しているわけではなく、税金対策上、私自身も自分が設立した法人の役員として月給とりの形で報酬を得てますが、肩書きが欲しければ、税理士に100万ぐらい出して法人を設立し、代表取締役でも部長でも社員にでも勝手になればいいのです。
最近のメディアでは正規雇用うんぬんという取りざたされ方がしておりますが、何も正社員にこだわる必要性も価値もどこにもありません。先日、テレビを見ていてびっくりしてしまったのですが、サラリーマンの方でも毎月のお小遣いが5万円程度という人も実際に多くいるようなんです。税金分を引いても、毎月150万円のお小遣いがある僕からすると、人間としての本来の在り方とはどこか違うという気がしてしまいます。
ただ、最近は「働いたら負け」という価値観がひとつのムーブメントになっておりますが、少しづつではありますが、若者の価値観もよい方向に向いてきているような気がしております。
もし、あなたが卒業後、正規雇用につけなかったとしても、自分の能力と未来に自信を持ってください。
自分を信じて事業をおこして成功すれば、「正社員なんかにならなくて本当によかった。」と思える日がいつかやってくることでしょう。