失われた氷河期世代が生き残る方法

当サイトでは主に団塊の世代の悪口などをメインに書いてはおりますが、それでは今後、失われた世代はどのようにして生き残ればよいのでしょうか?

ぼくはセイシャインとか正規雇用とか、そういった既存の価値観をまずは捨て去ることが重要なカギになると考えています。安定した雇用とか正社員だとか、そんなものは妄想にすぎません。長らく非正規雇用だった氷河期世代が、安定した正社員をめざそうなどというのは愚の骨頂です。

20年もの長い間、失われ続けていた世代が、仮に今から普通の正社員になれたからといって決して報われるものではないのです。

といいますのも、10年、20年と失われていた時間を取り戻すには、ぼくの試算では今から同じ期間、平均的なサラリーマン年収の倍を稼いでもカバーできないからです。日本では累進課税が採用されているため、単年度で大きく稼いでもごっそり税金でもっていかれてしまいます。

仮に、ある年度に年収2,000万円を稼いだとして、それがサラリーマンの平均といわれる年収400万円の5年分になるかというとそうはなりません。所得税については累進課税のため、税金でごっそり持っていかれますので、ぼくの経験ではせいぜい3年分ぐらいにしかならないという印象をもっています。

また、年金についても、仮に免除期間が10年だったとして、今から年収1000万円の厚生年金の加入期間が10年になった場合、平均して年収500万円の5年分になるかといえば、そうはなりません。

仮に、今から年収2,000万を数年間ぐらい稼いだとしても、失われた10年、20年という時間を取り戻すことなど不可能です。いわんや、年収1,000万程度ではのれんに腕押し状態ですが、その年収1,000万円ですらサラリーマン社会では稼ぐのが困難とされる金額です。

なので、失われた氷河期世代が正規雇用をありがたがる風潮にぼくは違和感を感じております。まずは、安定した雇用とか正規雇用とか、そういった幻想を捨て去ることが何より大切です。

ぼくの事例でいいますと、非正規のワープア派遣で働いていた時の会社は、今はもう潰れてなくなってしまいましたが、今現在は自分が作った会社で正規雇用で働いており、最低限5年間はまったく働かなくても首になることは絶対にありません。

自分で会社を作って社長となり、会社には内部留保が年収の5年分はたまってますので、まったく働かないでも5年間は自分の会社から給与をもらえる状態になってます。

加えて、給与水準は会社の純利益も含めるとワープア時代の7倍~8倍程度はあります。今では、あの派遣会社で働いていた8年間はまったく無駄な時間だったと言い切ることができますが、もっと早くにワープアを切り上げて今の仕事をはじめていたらと考えることもあります。

ただ、言うは易しですが、派遣時代に正規雇用という価値観を捨て去り、決別するにはとても勇気がいることです。ぼくがダラダラと派遣を続けていたのも、心の底にはいつかは正規雇用で安定した収入を得ることができるかもという価値観にどっぷりつかっていたのだろうと思います。

その後、派遣切りをきっかけに、安定した正規雇用という価値観を捨て去らざるをえなくなりましたが、一歩間違えれば露頭に迷う不安や恐怖が常にあったものの、何事にも本気で真剣に取り組むことができました。

その8年後には労働者人口比率で上位2%の高額所得者に入り、個人事業から法人化することができましたが、ポイントとなった大きな転換点は、この正規雇用とか正社員とか、そういう価値観を根こそぎ捨て去ったことが非常に大きいです。

「俺にはもう正社員の道はない。別の道で生きていくしかない。」

と諦めたものの、8年後には自分の会社で社長という名の正社員になることができました。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」といいますが、正社員を諦めたことが終わりではなく、結果的に正社員になれた理由であるともいえます。

逆に優秀な人がいれば、年収1,000万円ぐらいで正社員を雇いたいとも考えている現在、この「正社員」とか「正規雇用」とか、そういった価値観が如何に下らない幻想であるかというのがよくわかります。

何がいいたいのかというと、氷河期世代が生き残るには、まずは正規雇用とか正社員などの価値観を捨て去り、自分でやるしか道はないということです。

この点、社畜として正社員で働いている方々は、この価値観を捨て去ることはなかなかできるものではありません。長年、安定した会社で働いていれば、路頭に迷うという恐怖や不安に打ち勝つことはおそらく不可能かと思います。

その点、失われた世代にはそもそも失うものが何もないので、この大きなハードルを越えることができる可能性が残されており、逆にいえば、この点が氷河期世代の最大のアドバンテージであるともいえます。

一旦、このハードルを越えてしまえば、常に強烈な不安や恐怖に付きまとわれることにはなりますが、その恐怖や不安が原動力となり、とてつもないパワーを発揮することができると思います。

この“不思議なチカラ”を手に入れること、これこそが失われた氷河期世代が生き残るカギになるとぼくは考えております。他にもいろいろと鍵はありますが、消費しないというサイレントテロのようなネガティブなスタンスをとるよりも、よりポジティブに前向きに幸せになれる方法ではないかと思います。