失われた世代の逆襲

私の世代は就職氷河期で、いわゆる「失われた世代」と言われていますが、団塊世代とかポスト団塊ジュニアともいわれている世代になります。概ね、1970~1982年生まれの世代になりますので、現在ではすでに中年のおじさんたちばかりです。

この失われた世代というのは、これより前の「バブル世代」や後に続く「ゆとり世代」と比較すると、就職自体があまりありませんでした。そして、そこに小泉政権による労働派遣法の改正により、派遣労働などが解禁になった時期にもあたりますので、その後にワーキングプアが多く生み出される原因にもなったものと言われています。

結果として、経済的な理由による晩婚化、ひいては少子高齢化に拍車が進み、これによって年金制度の不安定さや社会保険の負担増などが生じていますので、悪循環が繰り返される状況に陥ってしまいました。

私の周りの同世代の友人たちも、概ね、貧困化が進んでいるように感じておりますが、この状況を覆すのは容易なものではありません。

そのようななか、既存の価値観をぶち壊すして新しい価値観を作り上げる動きが出てきています。いわゆる「失われた世代の逆襲」といわれているムーブメントになりますが、2000年代以降、急速に成長してきたIT革命を背景に、失われた世代からの回復を遂げた若者たちが多数出現してきております。

実は私も20代の派遣生活を経たあと、30代からネット事業に取り組み、現在では上位2%以内の高額納税者へと移行しておりますので、いわゆるこの「失われた世代の逆襲」に該当するかもしれません。

以前の派遣労働時代は、いわゆるワーキングプアであったわけですが、正社員や正規雇用、年収1000万円というのが憧れの対象でもあり、まぶしくて仕方なかった時代もあります。けれども、自分で会社を作って社長となった今では、それらのフレーズはずいぶん陳腐なものと感じられるようになりました。

それまでの「年収1000万円の正社員になりたい」という立場から、逆に優秀な人材がいれば、年収1000万円ぐらい出して雇ってもいいかなという立場に回ることができたのです!

ただ、このような「失われた世代の逆襲」を遂げるためには、モチベーションを大転換させる必要があります。既存の価値観を投げ出す勇気が必要になりますが、私の経験からいっても、現在の日本では世間の目もありますし、また家族や親戚、あるいは友人の理解が得られるわけでもありません。そして、不遇な時代を何年も堪え忍ぶ覚悟がないと成功はおぼつかないものです。

けれども、「失われた世代」に失うものなど既に何もないはずです。
将来の年金もないですし、子供もないですし、お金もありませんし職もありません。

もし、家族がいたなら反対されるようなことでも、独身世帯の多いワーキングプアだからこそ、実行に移すことができる土台が用意されているのです。

だからこそ、未知なる領域にチャレンジすることができる唯一の世代ともいえるわけですので、この世代が中心となって、今後の日本の未来を変えていって欲しいと私は願っております。一生、世代間の貧富の格差に不満を持って生き続けるよりも、より豊かな生活をめざすことでずっと充実した毎日を送れることができるでしょう。