2014年第二四半期GDPは下方修正

 2014年第二四半期GDPで軒並みネガティブな数字が出てきましたが、ここにきてアベノミクスへの信頼感が急速に薄れてきています。去年までのワクワクがどこかへ行ってしまい、景気がよくなったと答える人が急激に減少してきたように感じております。

 実際、今回のGDPの数字にもそれが表れていますし、何より賃金が上昇しないまま消費税増税に突入してしまいましたので、消費がかなり冷え込んできています。増税前の駆け込み消費の影響で在庫がだぶついている傾向があり、1時的な影響ですめばよいですが、しばらくは尾を引く形になるかもしれません。

 マイナス幅は東日本大震災時の時期よりも大きく、リーマンショック以来の水準になってしまいましたので、消費税増税の影響はかなり大きかったものと思われます。それもまだ1発目の状況で、2015年の10月には2発目が予定されています。

 増税1発目でもかなりの影響が出てきましたので、2発目も実施するとなると、その影響がどこまで出てくるのか予想も付きません。

 一方、株式市場においては、6月前後に公務員年金の市場への投入が観測されていますし、それ以降もGPIFによる資金流入で底堅い株価が保持されています。企業業績は概ね、良好な決算内容とはなっていますが、消費の冷え込みが想定以上になってきたため、これからその落ち込みを織り込んでいくことになるでしょう。

 もし、年金資金でも株価を支えきることができず、万一、暴落してしまうことになりますと、アベノミクスへの風当たりが期待が大きかっただけに、失望感も大きなものになってしまうかもしれません。

 何よりも急務なのは賃金の上昇ですが、仮に賃金が上昇したとしても、来年10月から予定されている消費税増税への懸念のため、景気回復は限定的なものになってしまう可能性も出てきております。加えて、現実的に見れば、企業投資が低迷している以上、賃金の上昇よりも下落の可能性があります。

 実際、私個人の賃金でいいましても、昨年から1,000万円ほど減少しております。賃金が上がるようなふいんきが実感としてはあまりありません。

 やはり、コスト感覚のない政治家や公務員には実体経済のかじ取りは無理なのではないでしょうか。経済関連の主要なポストには、民間企業で大幅な業績の改善をした経験のあるトップにお願いして建て直す、そのような施策が必要不可欠なものと思われます。先日の内閣改造のポストを見ても、アベノミクスのゆくえを暗示しているような気がしてなりません。